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「技術者のコミュニケーション能力」へのカン違い
新卒大学生・大学院生はもとより、転職者においても「コミュニケーション能力」は、採用企業がもっとも重視するコピテンシーの一つです。
このコミュニケーションスキルを磨きたいと、個人コーチング、就活・転職カウンセリングを受けに来る方も多くおられます。
その際逆に私がお聞きするのは「コミュニケーション力って、何ですか?」という質問です。

ペラペラ上手にしゃべる能力でしょうか?パワポや「こんぴてんしー」なんて英語混じりのテクニカルタームだらけのプレゼンをする能力でしょうか?それが求められていると思うのですか?と。
先日こんな経験をしました。

私の愛車、妻が昔ボーナスで買ってくれた妻より大切にしてる愛車(ウソです。後で土下座しますので許して)がパンクしました。
メカオンチの私ゆえ、速攻でガソリンスタンド頼りです。近所のスタンドに行くと、そこのオニーサンが手招きします。ウインドを開け、「パンクなんですけど」と言うと、オニーサンは「こっち!ここ入れて」とのこと。
原油高騰で収益が希薄になっているはずのガソリン業界。ずいぶんぞんざいな接客だなと思いつつも素直に指定場所に停め、パンクの状況を説明しました。

するとオニーサンの胸の名札にはカタカナ名が。恐らくベトナム系と思われる苗字が書かれていました。
ここで私の自己理解が一気に進みます。
この人は外国人で、日本語ネイティブではない→無礼なのではなく、言葉の表現力の問題→パンクの説明にはちゃんと的確な質問と理解が出来ている→頼りになりそうな感じ・・・・
こんな風に私のオニーサンへのイメージは変化して行きました。

こうなってくるとどんどんオニーサンへの信頼が勝手に増してきます。外国人なのに苦労して働いてる。でも上っ面だけの接客じゃなくて、自分が求めているのは正しい技術。むしろちゃんとやってくれそうな、誠実さを感じる・・・・と。
実際私は理工系大学院で教える立場でありながら、技術面はひどいオンチです。技術者なんてのは元来口下手で、むしろその方が信頼感も持てるし、日ごろ口先だけで講演とか授業でカネ巻き上げてる自分なんて、生きててスイマセン・・・みたいに妄想が進みます。

修理は終わりました。オニーサンは清算時に「ここ、穴!」とタイヤを見せて説明もしてくれ、私は120%の満足感を持ってお金を払いました。
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もし技術者、あるいは技術系の職務を目指す方が、プレゼン能力そのものを要求する業務に就こうとするならこの話は当てはまらないかも知れません。
しかしそうではない、純粋な技術系の仕事に就かれるのであれば、求められるコミュニケーションスキルは「ペラペラ上手にしゃべれること」ではないのです。

採用側は少なくともあなたに関心があるからこそ面接に呼んでいます。パンク修理を頼む私と同じ心境です。さすがに面接でタメ口きいたら落ちるでしょうが、技術者に期待するのは流暢なプレゼン能力ではなく、技術に裏付けられた信頼感であり、訥々としていたとしてもその専門領域での知識や経験を「伝えられること」なのです。
ぜひ面接戦略を再度見直してみて下さい。
author:RMロンドンパートナーズ, category:転職テクニック, 10:29
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