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なぜ求人募集時の給与レンジと、提示時は違うのか
私のように人生も半分を過ぎてしまった者には、もう今さら遅いのかも知れません。
しかし若い方、これから社会に出る方、「キャリア」は一生ものです。後でキャリアは変えられません。給与条件と転職のギャップを考えましょう。

会社員であれば、転職を考えたことが一度も無い方はまずいないことでしょう。
自分含め、転職や会社を辞める、ということが頭を過ぎる場合、その最も大きな要因は給与・収入と言えるのではないでしょうか。例えば役職や昇進/昇格に不満がある場合でも、(あり得ない例ですが・・・)ヒラでも部長並みに給与が得られたらどうでしょう?

職務内容への不満等も含め、かなりの不満は「お金」で解決できることは多いのでは、と思います。
そのくらい大切なお金、つまり給与ですが、例えば求人票では「年収450万〜600万」と書かれていたので応募し、採用が決まったものの、雇用条件として提示された額は400万円だった、というような例もあります。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

企業にダマされた!最初からウソの給与レンジを出していた!と怒る方もいるでしょうが、実は必ずしもダマす訳ではないことも多いのです。採用をやっていると、特に昨今のような大不況下では、人気職では一人の採用に何十人、下手すれば100人超える応募があります。
ところが、これまで何千件もの採用に携わった経験から申し上げますと、仮に100人の応募があっても、まともに採用社が求めるスペック(要求能力・経験条件)に合致する人は、感覚的に言えば1/3以下です。

例えば「人材派遣会社コーディネーター募集。経験3年以上。想定年収350万〜450万」という求人があるとします。これに対し、某大企業人事職の人とか、中小企業人事部長、営業マンやショップ店員の方、等々いろいろな応募が来ます。

「経験3年以上」と書かれているからには、やはり採用社は人材派遣業の経験者、それも3年以上ある方を想定しています。ベテランがNGかどうかはその求人によっても違いますが、派遣業ではなく、人事をいくら何十年経験されていても、「派遣コーディネーター」募集には、普通はマッチしません。

一方、こういう募集では、実際未経験の営業マンやショップ店員の方が採用されたりすることはすごい異常なことでもありません。ただ、「想定年収350〜450」とあるのに、提示された年収は300万だった、というのはこういう時に起こります。
あるいはコールセンターSV経験は5年あって、派遣コーディネーターは1年半、等でもあり得ます。

求人スペックに合わない、満たない方を採用することは何も珍しい話ではありません。特に経験よりセンスを重視するのは、昨今のコンピテンシー重視の採用プロセスではより顕著になっています。
「企業がダマしてる」のではなく、採用基準に満たないが採用するので、想定条件より下がっている、というのが一番多いと言えるでしょう。

いやいや、「派遣コーディネーター10年やってますけど300万でしたよ」という方もいるのでしょうか?絶対無いと言えるほど強くは否定しませんが、その「10年」は、1社で10年ですか?2社ですか?15社ですか?
単に同業界にいた、だけでは「経歴」とは見なしません。特に転職歴・社歴が多い方は、年齢のマイナスより、実は職歴が著しくスペックに影響していることが多いのです。
採用条件に、「転職歴3社まで。当社が4社目となるのを上限」等制限している企業は珍しくありません。特に伝統企業、大企業ではそういった傾向があるのではないでしょうか。

つまり同業界で経験が求人通りあったとしても、それが企業として評価にならないものであれば、(転職歴が多い等)結果としてスペックに満たないと判断されます。

経営者・採用責任者であれば、「採用」はゴールではないことをわかっています。採用して、戦力として稼働してくれなければ、全く意味がないのです。短い社歴がたくさんという方は、この点で、採用社から評価されにくいのです。
外資系や金融系では転職が珍しくないと言います。筆者も外資に長くいましたので、全否定はしませんが、それでも程度問題です。30歳で転職5回は、やはり外資でも、金融でも、よほど飛び抜けた業績でもなければプラスに働くことは無いでしょう。まして40歳で職歴10社では、もう一人で独立してトレーダーをやって行けるくらいの実力で無いと、企業もなかなか採用に踏み切れないでしょう。

「正社員募集で応募したら、契約社員を提示された」等と言うのもあり得ます。これも給与と同じです。契約社員ならお断り、であれば辞退されれば良いのです。これは「正社員としてなら採用はしない。しかし契約社員ならOK」という答えなのですから、それでもチャンスが欲しい、機会さえもらえれば、成果を出す自信がある、ような方はチャンスとして活かせば良いし、契約社員などお断りという方は他を探せば良いのです。

最初から採用を約束する会社が無いのは当然です。また多様化や専門化している最近の業務は、単純に職歴や経験だけで能力を図れるものではありません。それを見抜いていく過程が採用選考です。
それでも100%理解できることはあり得ません。普通は一緒に働いてみてだんだんその実力が見えてくるものではないでしょうか。期待外れに「出来る」、逆に「出来ない」、どちらもありますね。

だから「求人情報の範囲より低かった」の逆、「条件が500万と提示された」例もあります。私自身の経験や、採用で実際に条件より高い提示をした経験があります。なぜなら「ぜひ欲しい」「他社に行って欲しくない」ので、より好条件を出して引き止めるためでした。欲しい人材なら、予算を上積みしても給与を高くすること自体は、多くは無いかも知れませんが、実際にあります。


これから社会経験を積む方は、ぜひこういった点を意識されると悔いの残りにくいキャリアにつながると思います。有名大学/院卒の学歴や社歴(有名企業・大企業職歴)はこんなところでもプラスになるのです。

んじゃ、私のように人生半分以上終わってる人は?
企業を説得すれば良いのです。「確かに転職歴も多く、また期待している経験と微妙に外れる。ただその分こういう経験が、こんな実績は、このように考えたら評価いただけないだろうか。
この業界で果たしたこの実績は、御社のこの事業で応用が出来るのではないか。
等と、このような説得が出来るかどうかがカギです。なかなか話をするチャンスまで至れないのが、今の厳しい不況です。

しかしこれほど厳しいにも関わらず、私の経歴はそこに書いてあります。読めばわかるでしょ的な、全然自らアピールできていない応募書類は山のように見ています。
活動中の方は、今一度書類を見直しましょう。
author:RMロンドンパートナーズ, category:転職テクニック, 01:03
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-, 2016/03/24 10:04 PM