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ゲゲゲの水木しげるから学んだキャリア観「時機を待て」
スピード経営、ドッグイヤー・インセクトイヤーといった、成果達成への速度は何より重視される現在の環境。ところが昨今の風潮の真逆のキャリア観について、水木しげる先生がおっしゃった待ちの姿勢を考えてみましょう。

タイトルにゲゲゲと入れると、中身が無くともビューが上がるというネットの法則らしいので入れてみました。もう遅いですか?さてさてゲゲゲの女房が、どう「戦略思考」につながって行くのでしょうか。

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今年は「ゲゲゲの女房」でした。大河ドラマが風林火山の途中あたりからキツくなり、篤姫で完全リタイア。天地人は論外として、坂の上の雲で盛り返したものの、竜馬伝はやっぱり・・・・というドラマ不調の時代。漫画家水木しげる先生が極貧の中からジャパニーズドリームを掴む過程を見事に描いた「ゲゲゲの女房」は傑作だったと思います。毎週わくわくした視聴者として、深いなと一番感じたのはやはりビンボー時代の心構えです。

とにかく何をやっても貧乏から抜け出せない水木しげる先生ですが、貧乏そのものは怖くないと言います。自ら南方戦線で死に損なった体験を持つ水木先生は、「時機」というものが必ずあって、時機に至らないのに無理を押すと、必ず失敗するという信念を持っていたようです。

これは経営にも通じることなのではないでしょうか。うまく行く時、そうでない時、さまざまあります。自らのミスは自己責任ですが、どれほどがんばっても成果につながらない。ビジネスではよくあることですね。

さらにキャリアというものも、ビジネス同様、あてはまるように思います。つまりクオータリーとか半期とか通期とかの短い期間の視点ばかりが重視される昨今ですが、そもそも経営や人生というものはロングタームの側面もある訳です。

ツキの流れとか、ツキの量なんてことも博徒ドサ健から学びましたが、これまた終戦直後の話ですね。水木先生同様、戦争という死線を彷徨った方々には、正に「生命」というロングターム、ライフロングな視点を意識するものなのかも知れません。

大学生や大学院生のような、社会人経験の無い人たちと面談していると、「がんばりました」とアピールされることが多いのですが、ビジネスをしていると、頑張っただけでは評価されないのは普通です。頑張らなくとも結果を出せば評価されるしチヤホヤしてもらえます。
問題はこんな時のモチベーションであり、心構えなんです。

水木しげる先生が極貧のどん底時代、「時機を待て」と言い、紙に書いて家の中に張り出します。でも待てずについ、妥協をしてしまう弱さも人間のサガ。
もちろん水木先生はそのどん底を耐え抜いたからこそ、今という栄冠があるのでしょうが、それでもドラマの中でそうした人間らしさを見せています。

ゲゲゲの女房である松下奈緒さんを養うため、不本意な金稼ぎにマンガを書くのです。ここでアッキーナが登場し、絡んでいくのですが妄想がどんどん膨らむので、ここまで。
私は水木先生が不本意な少女マンガを書いて、小銭を稼ぐシーンにはとても感動しました。やはり人間なんです。弱いんです。

しかし水木先生はそのまま弱さに流されなかった。これこそ大成功を勝ち取ることが出来たアーチストとしての地力だったのではないでしょうか。
仕事がうまく行かない時、あせるな、と言われても目の前にある生活は待ってくれません。
息を吸うだけでは生きていけないのが人間です。

しかしそんな人間の弱さを認めた上で、それでも待てること。これは長期的な視野からは、絶対に大切なことといえます。
戦略家リデル=ハートの戦争の原則において、「敵が防御を固めている時は攻撃しない」原則があります。時機を待つのは戦略思考なのです。そして攻撃は「敵の最小抵抗点を狙う」のです。時機を待っているのはこの敵の「最少抵抗点」を見付けるための、実は積極的な攻撃の一部と言えるのではないでしょうか。

キャリアという人生を通じて作られる歴史では、不遇な時も飛翔を迎えるための大切な熟成期間なのではないでしょうか。
うまく行っていない人、時機を待ちましょう、積極的に。
author:RMロンドンパートナーズ, category:仕事術, 18:46
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