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【改訂】CDA2次試験対策、合格と不合格の分水嶺は「自己探索の支援」

(作者注;本コラムは過去に書かれたものですが、CDAロールプレーの核となる内容のため、常に最新の状況に合わせて何度も改定し、掲載しています)

45歳、男性会社員のクライアントさん、Aさんが「転職を考えているのですが」と第一声を発しました。カウンセラーとして何と言いますか?

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初めてCDAのロールプレーをする方の90%以上がこの返答でつまづきます。いきなり第一声でつまづいてしまうのです。

なぜでしょう。何と言うべきでしょう。


初めてCDA2次試験を受ける方、前回の二次試験での雪辱を狙う方、さまざまな思いでCDA2次対策が始まろうとしています。すでに始めている方もおられるでしょう。

しかし何を対策すれば良いのでしょうか?上の問いは、こうした「何を対策」するかがわかっていないから起こってしまうものです。


「試験」である以上、何か合否の決め手になる分水嶺があるはずです。

初めてCDA二次を受ける方は、一次がやっと終わってヤレヤレとする間もなく2次が来るため、「合否の分かれ目」をじっくり考える余裕が無いのが普通です。しかし前回のCDA二次試験では、初めて2次にチャレンジされる方の中から、これまでで最高の人数の方が一回で合格を手にされました。

CDA試験は今や「1次に合格した人の『半数以上』が落ちる」難関試験となっています。筆記と違って、正解のない、またカウンセリング・ロールプレーという「会話」であるため、特別な準備などせずとも「受けることは可能」です。
しかしろくに準備もせず、対策も立てず合格できるのはほぼマグレに近い確率となりました。CDA試験の難しさは、やはり受けてみないと実感できないものだと思います。


ちゃんと練習をしていない方のほとんどは、カウンセリングが何であるか、CDA試験で求められることが何であるかを意識していません。これは言ってみれば大学受験をぶっつけ本番で受けるようなもので、そもそも合格できなくて当然ともいえます。
しかし一方で、闇雲にロールプレーの回数をこなす人もいます。

ロールプレーでいかにすべらかに話が出来るか、いかにクライアントさんに鋭い指摘をするか、「あなたの本当の気持ちは仕事が嫌ということなんですね!ドーン!」と、笑うセールスマンみたいな「本心当て」をしてしまう。

クライアントさんはカウンセラー(CDA)のモルモットでも、自己満足の道具でもありません。
CDAに本心を当てられるために来ているのではありません。

すべて「落ちるための練習」となってしまいます。ロールプレーの回数は多ければ良いのではなく、間違ったロールプレーをすればするほど、「落ちる可能性」が高まります。
「何を練習すれば良いか」を明確にし、その目的に沿ったロールプレーを組み立てられるよう、感覚を体で身に付けること。これがCDA二次試験対策では最も大切なことになります。


カウンセリング理論や「カウンセリング入門」等の本を、今、読み始めたりする人もいます。そこに書かれていることをそのまま2次でやればほぼ不合格は間違いありません。なぜならそれらの書は「カウンセリング」のための文献であって、「CDA2次試験」で行うカウンセリング・ロールプレーのためにガイドになっていないからです。

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「自己探索の支援」というキーワードが独り歩きし、多くの不合格者を生んだと感じます。スルドイつっこみをすること、
ズバリ!本心を見抜くこと、
クライアントさんを励ますこと、
クライアントさんに方向性を示唆すること、

こんなこと「だけ」をしようとした人がのきなみ不合格となりました。

また;
「傾聴はしているのに受からない」
「反映はしているが、要約が上手くできない」
こうした方の受験相談を何百件も受けてきました。

しかしそんな方の中で本当に「傾聴が出来ている」方は一人もいませんでした。「反映が出来ている」方も同じです。
「要約」についても、なぜそこでその要約が必要なのか、試験官を納得させる説明が出来る方もいませんでした。


「傾聴だけでは受からない」のではありません。
そもそも本当の「傾聴」が出来ていないのです。もしくは出来ていると「伝えられて」いないのです。実技試験ですから、少なくともクライアントさんや試験官に「伝わらない」傾聴では得点のしようがありません。
「自分では出来ている」という思い込みが、実は不合格への道まっしぐらにつながりかねないのです。


「自己探索」ではなく、「自己探索の『支援』」が何であるか、しっかり考えましょう。その上で、それをロールプレーを通じて表現できているのかを検証する必要があります。
その検証はおそらく一人では出来ないでしょう。客観的に判定できる第3者の目をもっての検証が合格には欠かせません。


「主訴・問題の把握」とは、刑事や検察官のように、クライアントさんを取り調べ、質問攻めにして「真実をあばき出す」ことでは全くありません。(←初めて当方でロールプレーする方に多く見られる傾向です)


クライアントさんの気持ちをストレートに聞きまくっていませんか?
「今の気持ちはどうですか?」なんていう感じで。
そんな芸能レポーターのようなぶしつけな質問に素直に答えてくれるのは、CDA受験生だけです。

クライアントさんは
CDAが腕を見せるための道具ではありません。
だから受験生だけで行うロールプレーは危険なのです。


私は年間何百という実践のカウンセリングをしてきましたが、予定調和で進むカウンセリングは一件もありません。「予定しない」ことが唯一予定出来ることです。

「今の気持ち」を素直にカウンセラーに伝えられるくらいなら、わざわざ時間を割いてカウンセリングになど来るでしょうか。カウンセリングに「本当」も「真実」もありません。クライアントさんを質問攻めにする、不合格まっしぐらのロールプレーをしてしまう方は、ここが理解できていないといえます。

「真実が無い」のですから、質問そのものに意味はありません。カウンセリングでの質問は情報を得るためのものではないのです。情報を得る以外の目的で質問を使えてこそカウンセラーなのです。


初めてCDAを受ける方。ぜひ戦略的な試験準備をして下さい。
ぜひCDA二次のロールプレーという全体像を理解して下さい。


「転職を考えているのですが」
とクライアントさんが言われたのであれば、
「転職を考えているのですか?」と返すのはどうでしょうか。「転職?」でも良いかもですね。

クライアントさんとの年齢や立場の違いなども勘案して、私なら後者のような言い方をするでしょう。
しかし一番大切なことは、実はここでは書けないのです。

もったいぶっているのではありません。求められているものは「文字」だけの正解ではないからです。同じ言葉でも、イントネーションやスピード、抑揚によっては全く違って聞こえます。つまり
「何と言うか」以上に、「どう言うか」が重要なのです。
「好き」という気持ちを伝える時、「好き」と言うだけはなく、場合によっては「キライ」ということで、返って強く「好き」な気持ちが伝わることってないでしょうか。

「正しい言葉」という情報にこだわっている限り、合格ははるか遠いものと言えます。
「間」「スピード」「トーン」
こんなノンバーバルなものも含めた関わり行動に気を配れているでしょうか。
こうした表現方法を身に付けているのがプロのカウンセラーなのです。その表現を身に付ける練習。それこそ「合格のため」の練習と言えるでしょう。
「合格できる」のはプロとしてやっていけそうだと、試験官が納得した場合だけです。だからCDA二次は難しいのです。
ぜひ「合格のため」という明確な視点をもって、対策に臨んで下さい。一緒に頑張りましょう!

 
セミナー事務局より
最新セミナー情報は当ブログ最新ページにてご確認下さい。
author:RMロンドンパートナーズ, category:CDA/キャリアカウンセリング, 10:41
comments(2), -, - -
Comment
先生こんにちは。
 今回初めて、2次試験にトライして、残念な結果をいただきました。実は教室に通って、自分なりに頑張って不自然と思えることまで練習を繰り返してきました。通っていた塾の録音を何度も聞き返して、頑張った挙句の不合格。正直次回どうしていいのかわかりません。はっきり言うと、どうすれば合格するのか、明確にわかりたいのです。(こんなことは無理とおもいますが・・・・)
 こんなわたしでも助けていただけるでしょか?
永井美穂, 2015/09/19 6:50 PM
セミナー事務局です。コメントありがとうございます。
(メールをお送りいたしました)
何が良くて何が悪いということを、講師がマンツーマンでご一緒に分析する「CDA受験カウンセリング」をぜひお試しいただいてはいかがでしょうか。

「これさえやれば絶対合格」というような勇ましいことは一切申し上げない当方の講師ですが、冷静な第三者視点で、試験を振り返ることは、過去の合格者の方からは非常に有効だったと、ご感想をいただいております。
RMロンドンパートナーズ, 2015/09/21 10:30 AM