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mine掲載記事「許される謝罪」バナナマン日村と極楽山本の違い

mine掲載記事「許される謝罪」バナナマン日村と極楽山本の違い(増沢隆太)

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フライデーのスクープで未成年者への淫行が報道されたバナナマン日村さん。しかし世間の反応は批判より同情や好意が多いようで、むしろ16年も前のことを蒸し返した告発者とそのスクープを大金で買ったといわれる掲載誌フライデーに向かっているように感じます。一方芸能界仲間の擁護はあってもなかなか復帰のかなわない人との違いは何でしょう?

 

1.「謝罪で何とかなる」という誤解
謝罪会見などあるたびにテレビからコメントを求められるので、最近はニュースやワイドショー以外に、バラエティ番組からもお声がかかるようになった私ですが、わりとよくある企画が「謝罪でやっつけよう」というものです。これは芸能人(主にお笑い芸人さんやアイドルなど)に架空の事件の謝罪をさせて、それを改善したり、許しを得るためどうするかという解説を求められるようなものです。

問題はその架空の事件の内容です。よくある不倫問題のように犯罪ではない事案であれば、謝罪の仕方によって反響を鎮めたり、影響を最小限に抑えられる可能性は十分あります。しかし「じゃあ○○さんがスーパーで万引きしたという体で」といわれると、それはもはや犯罪。それこそ「謝って済めば警察はいらない」ことになります。

 

「謝罪で何とかなる」かどうかの境目は正にここにあるのです。「犯罪かどうか」で決まるといえます。犯罪はどう取り繕っても犯罪であり、特に刑法犯である窃盗(万引き)、痴漢、婦女暴行(淫行なども含む)、暴力(暴言のパワハラ含む)、詐欺などは、謝罪で何とかなる訳がありません。

 

2.裁判有罪率99.9%社会における極楽・山本さん
10年以上前に未成年者に対する暴行で書類送検され、のちに示談で不起訴になった極楽とんぼの山本さんという芸能人もいます。しかし本人や芸能界周囲の後押しがあるものの、いまだ地上波復帰ができているとはいえません。フライデー発売直後に生番組に出演できた日村さんとの違いは、やはり「犯罪性」でしょう。

 

不起訴とはいえ書類送検された山本さんと、そもそも時効で犯罪成立のない日村さんは法的には同じでも、99.9%といわれる、刑事事件裁判有罪率が異常に高い日本という社会にいます。つまりそれは起訴されてしまえば事実上有罪という法的には間違った扱いが堂々とまかり通る社会です。「疑わしきは被告人の利益」の真逆で、「疑わしきは有罪(にしてよい)」という日本の土壌のため、山本さんが犯罪者扱いされるのは気の毒ですが、そういう日本社会の価値観だというしかありません。

 

全くのウソ報道でも、せいぜい後で目立たない場所で訂正記事を出したり、スズメの涙程度の慰謝料を払えば済む社会で、法的な一線というのは最後の頼みともいえる拠りどころです。日村さんが犯罪を起こしていないということはかなり重要な点といえます。何より時効となった大昔のことを、「週刊誌に売った」というイメージが持たれ、その告発の公正さへの疑問を生んでいることは、タレント本人のイメージにプラスとなりました。

 

3.たけしフライデー事件の歴史的意味
もはや事件を覚えている人の方が少なくなったかも知れませんが、人気絶頂だったビートたけしさんが講談社のフライデー編集部に殴り込みをかけた、いわゆるたけしフライデー事件が起きたのが30年以上前の1986年。インターネットもない時代で、マスコミのみが意見を表明できる絶対的権力者だった時代です。それまで問答無用で犯罪者側が言い訳や主張をする機会すらなかった中、人気トップの芸能人であるたけしさんは記者会見ができました。その中で暴力をふるったことを認めつつも、過剰な取材で身内が被害を受けている現状を話し、「暴力はいけない」という正論だけでは収まらない過剰取材の現状を説明したのでした。こうした絶対権力者であるマスコミへの疑問に世論が味方に付き、フライデー・講談社も大きな批判を受ける事態となったのでした。

 

たけしフライデー事件は、常に批判をする側だったマスコミが批判を受けるという、歴史的転換となったといえるでしょう。このおかげで、「事件を起こせば問答無用」ではなく、情状酌量にも関心が向けられるようにはなりました。しかしそれも程度問題で、やはり法律という一線を越えてしまえば、どれだけ斟酌すべき事情があろうと起こした者が悪いという扱いは覆りません。犯罪を無かったことにはできないのです。

 

芸能人や有名人の方は、そのやらかしの内容によっては事態収拾が可能です。それは犯罪かどうかの一線で、不倫や刑法犯にならないトラブルであれば、謝罪は炎上鎮火にも有効です。謝罪指南と弁護士の領域違いはここで、許される謝罪となるのも、犯罪にならないことは決定的に重要です。

 

author:RMロンドンパートナーズ, category:記事, 08:57
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